現行予算を見直すことなく増税の議論がなされていること
滋賀減税会の交通税反対委員会内の 「滋賀交通ビジョンに賛成できない7つの理由作成委員会により、交通ビジョンに賛成できない理由をまとめてみました。
この記事のまとめ
そもそも年間経費89億円が本当に必要なのか
もし必要であると仮定してもその予算は県全体予算6500億円の約1.4%
どちらが正しいか議論の余地はなく、捻出できない政治家は無能と決めつけて構わない
県民の側に立たず、行政の言いなりに増税を課すような政治家は次回の選挙での退場を願う
滋賀県が行う県民への意識調査では交通行政に対する不満が例年上位にくるそうです。
それゆえに長期の交通ビジョンが必要であると言います。
「長期、広域の交通ビジョンを実現するには資金が足らないので、増税を検討しなければならない」
早く言うとそんな感じでこの話が進んでいます。
問題は、交通ビジョン策定に伴う現行事業の見直しや現行予算の組み直しについて、具体的な数字や方針がまったく聞こえてこないことです。
滋賀県の全体予算は令和5年度で概算6500億円以上あります。
その規模で行う事業はそれこそ無数にあることでしょう。
そのすべてにおいて無駄な事業はひとつもなく、削れる予算は1円たりともないというのであれば、新規事業に対して増税の議論もやむなしと思いますが、そんなことがあるわけありません。
そもそも滋賀の交通事情を改善してほしいという要望が多かったためこの話になっているのであれば、とりもなおさず、交通事業の優先順位が上がったことになります。
であれば、交通事業以外の事業を縮小するなり、後回しにするなりすればよいだけの話です。
この、新しいことをやるから増税というロジックは、つい最近の防衛予算増額でも遣われている、思考力のない政治家が官僚に操られる典型的なパターンです。
官僚に言いくるめられた間抜けな政治家は、こともあろうに我々国民、県民に対して、増税しないならこの事業はできないという脅しをかけまくるのです。
騙されてはいけません。
税金は死ぬほど余っています。
正当な事業に遣われ、無駄な事業を削られると、そこに巣くう中抜き業者や補助金依存業者が困るだけであり、引いてはそこに天下る役人、そこから資金や票をもらっている政治家や政党が困るだけの話なのです。
そもそも予算は限られているのだから、優先する事業に予算をつけて、あとの事業でやりくりすれば良いだけです。
先の数字からすれば、6500億円の年間予算に対して、滋賀県交通ビジョンは89億円の予算が必要であると言います。
本当に89億円をかけなければならない事業なのか疑問はありますが、とりあえずこれをベースに考えるとして、89億円は滋賀県全体予算の約1.4%です。
であれば、まず優先的に89億円の予算を交通ビジョンに計上し、残りの予算でその他の事業を組めばよいだけ、全体のたった1.4%それだけをやりくりすればよいのです。
数字を簡単にすると、650万円の年収のご家庭で、年間約8万9千円の支出やりくりをしようとすれば、月7200円となります。
年収600万円を超える家庭で月7千円のやりくりはたいして難しいものではありません。
県の予算においても同じ割合です。
例えば、ぜったいにその他の予算が削れないと言うなら、その分、他の公共事業の期間を全体で2%程度延ばせばよいだけの話です。
その程度のやりくりをできないとする行政とそれを肯定する政治家はどうかしています。
こういう主張をすれば、行政からなんだかんだと因縁をつけられることは承知の上で書いていますが、ここではどちらの考え方が正しいかというより、行政ができないとする理屈の裏側には必ずできる理屈が隠れているということをお伝えしたいのです。
問題はどちらの理屈を選択するのか、為政者の見識にかかっているのです。
政治家は行政の代弁をして県民を脅し上げるのが仕事なのではありません。
その政治家を選んだ県民の代弁者です。
増税はとりもなおさず、県民の自由に遣えるお金を奪う行為です。
よほどの事態でない限り県民の代表たる政治家は増税を容認すべきではないはずですが、今はその良識が欠如しているのが政治の実態です。
滋賀県をよくする交通ビジョンについて反対はしません。
しかし、交通網整備が重要であるといいながら、他の予算の見直しもせず、予算が足らないという不誠実なやり方のツケを増税という手法で県民になすりつけることは黙認できません。
予算のたった1.4%のやりくりができないような議員ははっきり言って無能です。
議会で予算を論じる資格はないと思います。
余談になりますが、100兆円を越える予算規模に対し、たった1兆円の防衛予算について増税するしかないと言っている政治家もやはり無能だと思います。
89億円の予算を増税せずに確保すること、そのやり方は簡単です。
「交通ビジョン予算89億円を先にとって、残った分で事業計画・予算案をつくれ!」
それを言うだけの話です。
行政側がのたまう、
「1.4 %がどうしてもつくれないので増税しかありません」
こんな戯れ言を真に受ける方がどうかしています。
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